「中国の子供はどう中国語をおぼえるのか」この本を通して中国語学習のヒントをえるその28回目です。
今回は、着(zhe)のお話です。
着は、动态助词(dòngtài zhùcí)と言います。了や过も动态助词です。中国語は、英語や日本語にあるような過去形、現在形、未来形という時制表現がありません。中国語にあるのは、それがいつであるかにかかわらず、「どういう状況にあるのか」ということです。そのうち着は動作が進行中である、状態が持続中であることを示すものです。
夕食時、筆者が京京ちゃんに「把电视关上吃饭了!(テレビを消して食べなさい)」というと京京ちゃんは「关着呢!(消してあるわよ)」。と言い返してきたそうです。これが基本的な用法です。
着の後に動詞をつけると、「~している状態で~する」になります。筆者は、こどもをしつけるときにこれを多用したそうです。
- 蹲(dūn)着尿(しゃがんでおしっこするのよ)
- 蹲着拉(しゃがんでうんちしてね)
- 坐着吃(座ってたべなさい)
- 别拿着走(持って歩いちゃだめよ)
これなんかよく使う表現ですよね。そのほかにも「~させておく」という表現もあります。京京ちゃんは、上手に絵が描けるとお母さんにその絵を見せ「妈妈,别收起来,留着给爸爸看看(ママ、しまわないでね、取っておいてパパにみせるの)」とこの表現を使います。
ある日京京ちゃんは、パパと漢字カードをつかって遊んでいると、「看别的吧」というところを「看bei的吧」と言い間違えてしまいます。それを聞いたお父さんが
什么叫看bei的呀?(なにそれ、ベエーのを見るって)
とからかうと、京京ちゃんは
我怎么说着说着就说错了呀(私喋ってるうちに間違えちゃった)
と返してきました。この「说着说着」は言っているうちにと訳します。動詞 + 着を2回繰り返して言うと「~しているうちに」という意味になります。动态助词 着をひとつとってもいろいろな用法がありますね。次回は、动态助词「过」のお話です。それでは、また!!